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本場で現地業者に勝つ!
パリの日本企業のチーズ屋さんから海外進出の成功方法を学ぶ

最近パリで、日本人のチーズ屋さん「FROMAGERIE HISADA」が、フランスメディアからも注目を浴びています。 この現地での予想外の成功から、「日本企業が本場の本格的な商品や市場に挑んでも成功できる」ということ、またその方法を学ぶことが出来ます。

現在、「FROMAGERIE HISADA」は、日本国内の21店舗に加え、パリ市内に二店舗を運営しています。日本人の観光客はもちろん、ほとんどの顧客はパリジャンで、多くのその他のフランス人経営のチーズ屋さんよりも評判が高いです。

そもそも現地で、最もフランス的なものの一つである「チーズ」に挑むということは、ほぼ不可能だと思われるかもしれません。しかし、「FROMAGERIE HISADA」という日本企業が証明したように、海外進出の成功は、会社の規模や取り扱う品目に関わらず、まずどれ程、現地市場に適切化できるかが大きな決め手です。

FROMAGERIE HISADA

FROMAGERIE HISADA - パリ店

現地市場を把握し、トップクラスのサービスを提供する、ということは当然ですが、「FROMAGERIE HISADA」の場合、最も重要な点としてまず、「日本らしいチーズ屋さん」というスタンスを一切取らずに、むしろ現地のテイストで、「チーズへの尊敬と愛」を発揮した店舗にしたことが挙げられます。

そのベースラインができた上で、フランスのチーズ屋さんと比べて質の高いサービス、豊富な品揃えを心がけたことで、消費者の満足と信用を得ることができ、「日本風のチーズ屋さん」としてではなく、「トップクラスのチーズ屋さん」として、現地で認められることに成功しました。

上に記した「トップクラスのチーズ屋さん」としての条件が揃った上で、漆のチーズプレートや「柚子の羊チーズ」などの新しい商品をメインにすることで、さりげなく、メインのコンセプトからも外れない、フランスの他業者にはない「日本」という魅力がプラスαされ、現地での差別化に成功しました。

岐阜産の升

FROMAGERIE HISADA - パリ店内

結論として、 「FROMAGERIE HISADA」の成功の主なポイントとは:

  1. 現地業者に劣らないサービスや質、品揃え、業界知識、クライアントへの対応などを身につけること

  2. 信頼関係の重要性を理解し、数多くの顧客よりもリピーターを得ること(ここは日本の強みである、サービスやおもてなしは、有効)

  3. 上記のポイントをクリアした上で、現地のライフスタイルに合わせた、ブランドのメインコンセプトをブレさせない、さり気ない「日本」を加え、現地業者が持たないプラスαの付加価値を与えること

海外進出の成功方法は各企業により異なります。しかし、現地への適切化だけでもきちんと行うことで、企業規模や取り扱う商品に関わらず、 海外市場において、新しい販路を開拓できる可能性が広がります。

「FROMAGERIE HISADA」のように、現地への効率的な適切化を始めてみませんか?

※ SPRINGの海外進出戦略についてもご覧ください。